保守思想憲法学の三大理念

本シリーズでは、英米保守思想の父と呼ばれるエドマンド・バークの保守思想をベースに、近代法体系や近代政治制度と整合する我が國の保守思想憲法学を構築していきます。


保守思想には、三つの大きな理念があります。それぞれの解説については、これからしていきます。


國體(憲法・時効) ・・・ 天皇を中心とする、父祖より相続した道徳や慣習、伝統などの総体


偏見(経験) ・・・ 父祖より相続した道徳や慣習、伝統など → ここから正しい「自由」が派生する


相続(世襲) ・・・ 財産のみならず、正しい「自由」や道徳、慣習、伝統なども父祖より相続したもの


このように、保守思想とは、國體を守ることによって、我々の父祖から相続してきた自由を守る思想である、といえます。保守思想とは、真正の自由主義思想なのです。


これら三つの理念は、完全に全く別々のものであるというわけではありません。それぞれが部分的には重複し、互いに関連して影響を与え合いつつ、國を守るための学問として構築されていくのです。


我が國は数千年の歴史を有する國家です。そして、我が國は天皇を中心として、無数の人々の悠遠の営みによって形成されてきました。


我が國の形成は、特定の個人や集団の理性や、その時代その時代の民意などによってなされてきたものではないのです。


我が國を保たせてきたのは、無数の人々の悠遠の営みから生成されてきた、我々の父祖から相続した道徳や慣習、伝統などであり、これこそが、我が國の不文の憲法なのです。